こんにちは。
がく鍼灸治療院の山本です。
今回から数回に分けて、
これから秋に向けてどう過ごすのがいいのか、
お話ししていきたいと思います。
よろしくお願いします。
■東洋医学の秋のとらえ方
秋はすべてのものが成熟し、収穫をする時期です。
夏の『陽気』が少なくなり、
『陰気』が多くなってくる時期です。
自然界も『陽』から『陰』にエネルギーが移行していきます。
『陰気』は堅める力、収める力です。
この時期は、少なくなっていく『陽気』を
体内にしまい込んでしっかり蓄えます。
春夏と活動的に動いた『陽気』をしっかり内にしまい込み、
来たるべき冬に備ることが大事になってきます。
秋は五行(木火土金水)でいうと『金』に分類され、
人の身体でいうと『肺』が金にあたります。
秋は金の性質が強くなる時期で、
肺の働きも同じように活発になります。
東洋医学では、肺は『気』を操作するところです。
肺が気を巡らせることで、
皮毛を養い寒さやウィルスから身を守ります。
肺がしっかりしていれば、
風邪などにはかかりにくくなります。
逆に肺が弱っていて、気の巡りが悪いと、
抵抗力の弱い状態となり、
寒さにあうと風邪をひきやすくなります。
また、風邪以外にも
ぎっくり腰、憂鬱、ぜんそくなどにも注意が必要です。
肺がしっかりするためには、
呼吸が大事になるのですが、
呼吸についてはまた別の機会に話したいと思います。
■秋に疲れが出るのはなぜ。
秋は過ごしやすいといっても、
夏の疲れがどっと出るときです。
この疲れには2つあります。
一つは暑さに負けて体力を消耗したもの。
もう一つは、クーラーや冷たい飲み物で
体を冷やしてしまったものです。
冷たい飲み物は、温かい飲み物に比べて消化に時間がかかります。
そのため冷たいものばかり飲んでいると、
消化にも体力を使っているので疲れやすくなります。
暑さで体力を消耗した人、
夏の暑さを避けるためにからだを冷やしすぎた人は、
守りの力である抵抗力も落ち流ので、
秋になって少しひんやりしてくると、その寒さがこたえます。
■なぜ、寒さがこたえるのか。
秋になって外気が冷たくなると、
その侵入に対抗する『陽気』が必要になるのですが、
夏の間からだを冷やし続けていたので、
陽気をたくさんつくることができなくなっているからです。
暑い真夏は、
クーラーの効いた涼しい部屋で冷たい飲み物を飲んでいても、
外が暑のでからだのバランスは保たれ症状は出ません。
しかし、夏が終わりに近づき、朝晩だけ涼しくなったりすると、
真夏に冷やし続けたからだが涼しさについていけなくなり、
体がだるい、鼻がグズグズする、喉が痛い、寝違え、
腰痛下痢などの症状を引き起こします。
このようなときには、
まずからだに元気をつけてから
つらい症状をとるようにしないと治りません。
それには胃腸の調子を良くすることが必要です。
そのためにはどうすればよいのか、
ということなんですが、
長くなってきたので次回にお話ししたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。